匂いの感じ方が弱くなるか全く感じなくなること、匂いの感じ方が以前と異なること、あるいは何も無いところで匂いがするような症状を嗅覚障害と言います。
鼻の中でも、上の方の鼻中隔とひだ(上鼻甲介)の間の狭いごく一部でのみ、臭いを嗅ぐことができます。この部位(嗅粘膜)の異常を調べるために視診、内視鏡検査、CTなどを必要に応じて行い診断します。
嗅覚障害には三つの種類があります。
気導性嗅覚障害:副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症などが原因となって、嗅粘膜までにおい分子が届かないことで起こります。
嗅神経性嗅覚障害:嗅神経自体が、かぜや新型コロナウイルス感染症、薬剤の影響などにより障害を受けたり、外傷により傷ついて生じます。
中枢性嗅覚障害:頭部外傷や脳の病気(脳腫瘍、脳出血、脳梗塞)によりにおいを感じない状態です。
その他、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病の初期症状として嗅覚障害が起こることは意外に多く、早期診断の重要な指標と考えられています。
治療法は嗅覚障害の種類によって変わります。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因の場合はその治療を行うことで改善が見込まれます。ウイルスによる嗅覚障害には、ステロイドの内服や点鼻、漢方薬を使用しますが、改善する場合と難しい場合があります。