頸部リンパ節炎
のどかぜや、扁桃炎、外耳炎、虫歯など、ウイルスや細菌の感染が原因となり、反応して首のリンパ節が腫れる病気です。他の症状がなく、ウイルスの全身感染の一症状として腫れることも少なくありません。時に遷延する高熱を伴います。特徴は、しこりを押すと痛い、熱感を伴う、腫れ方が急速である、などです。もとの病気が治るにつれてリンパ節の腫れも引いていきますが、治っても完全に消えないで小さく残ることもあります。治療は、原疾患の治療、消炎鎮痛剤の投与ですが、原因が細菌であれば、必要に応じて抗生剤を投与します。
特殊なケースとして、10歳台後半から20歳代の方で、のどが痛くて高熱が続き、首の後の方に縦に複数のリンパ節が腫れている場合には、EBウイルスによる感染症(伝染性単核球症)のことがあり、肝障害の併発に注意が必要です。
特殊なケースでは、結核や梅毒などの感染症のことがあり、近年増加傾向にあります。
急性化膿性耳下腺炎・顎下腺炎
口の中にいる細菌が、唾液の出口から逆流して耳下腺や顎下腺に入り込み、急性の炎症を起こす病気です。時に、唾液の通り道である管の中に、石(唾石)ができて唾液腺が腫れることもあります。ウイルスが原因のおたふくかぜとは異なり、細菌感染が原因で、多くは片側に起こります。耳の下や顎の下が腫れて痛み、口の中に膿が出たり、時に熱が出ることもあります。高齢の方や、脱水気味の方、口の中が乾燥している方に起こりやすい疾患です。治療は、抗生剤の投与や水分の補給、うがいによる口腔内の洗浄などを行います。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
ムンプスウイルスの感染によって、耳の下にある耳下腺が腫れる病気です。はじめにかぜのような症状がでることもあります。主に小児に多く見られますが、大人になってからかかることもあり、より重症化しやすい傾向があります。まれですが過去にかかっていても、大人になって再度発症することもあります。多くの場合は両側の耳や顎の下の唾液腺が腫れて痛むほか、発熱や飲み込む時に痛みを伴います。合併症として難聴(ムンプス難聴)や、成人男性では精巣炎、女性では卵巣炎を起こすことがあるため注意が必要です。特効薬はないため、熱や痛みに対する対症療法を行いながら安静にします。感染力が強いため、学童の場合は登校の禁止が必要になり、おとなの場合には小さなお子さまに会わないように注意が必要です。
唾石症(だせきしょう)
顎の下にある唾液腺や、その管の中に石(唾石)ができて唾液腺が腫れる病気です。特徴的な症状として、食事の際(特に酸っぱいものを食べた時など)に唾液がたくさん作られると、詰まっている石によって唾液の流れが堰き止められ、顎の下が激しく痛んで腫れます。食後しばらくすると唾液が少しずつ流れて症状が治まることが多いです。小さな石であれば薬で炎症を抑えて石の自然排出を目指しますが、大きな石や奥にある石の場合は、石を摘出する手術が必要になることがあります。
亜急性甲状腺炎
首の真ん中の下の方が腫れて痛み、発熱を伴うことがあります。甲状腺に炎症が起きる病気で、風邪をひいた後などに起こりやすいためウイルス感染の関与が疑われています。「痛みが片側から反対側に移動する」ことがあるのが特徴です。また、一時的に甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出し、動悸や手の震え、多汗などの症状が出ることもあります。治療にはステロイド薬や非ステロイド性消炎鎮痛剤を用います。治療を始めると痛みは比較的早く治まりますが、再発を防ぐために薬を少しずつ減らしていく必要があります。
